【不動産のヒント】告知事項 人の死の告知に関するガイドライン


皆さん、不動産取引における「告知事項」って聞いたことがあるでしょうか。

人によっては、購入をためらってしまう様な情報のことです。

そこで殺人事件があったとか、持主が自殺しているとか、近年では孤独死も告知事項になっています。

たしかに殺人や自殺、あるいは火災でなくなった方がいるなどと聞くと、嫌な気分になってしまうかもしれません。

しかし、一人暮らしの老人が増えた昨今、孤独死をどこまで告知するか、なかなか悩ましい問題でした。

というのも、前日の夜に親族と電話で話していて、翌朝掛けてみたら繋がらない、出掛けてみると亡くなっていた、等というケースも告知事項となっているからです。

数ヶ月も死去したことが分からずに遺体が腐乱していることと、わずか数時間孤独に亡くなっていること、これには印象的に大きな差があると思います。

判断基準がないことで全て事故物件として取り扱われるのではないかとの所有者の懸念を斟酌し、一昨年に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を出しています。

これによると、原則は【宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない】となっています。

また、その上で、告げなくても良い場合を提案しています。

【告げなくてもよい場合】
①【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。 ※事案発覚からの経過期間の定めなし。
②【賃貸借取引】取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は
発覚)から概ね3年間が経過した後
③【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死 ※事案発覚からの経過期間の定めなし

しかし上記【告げなくてもよい場合】にあてはまる事例であっても、告げる必要があるとされているケースもあり竹を割ったようにスッキリとはしないのですが、これまでよりも判断しやすくなったことは事実です。

弊社で知っていることはなるべくお伝えしたいと考えておりますが、今後、売主様本人による告知内容がこのガイドラインを基準としていく可能性は大きいと思われます。

興味のある方は、是非下記にて御一読下さい。

国土交通省 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン