【不動産のヒント】住宅取得等資金贈与に係る令和6年度税制改正について


今回は、本年改正された贈与税の非課税制度についてご紹介させていただきます。

そもそも、住宅取得等資金贈与についての非課税制度は、下記の様なものとなっています。

  1. 対象者: 日本国内に住んでいる18歳以上の個人で、贈与を受けた年の所得が一定額以下であること。
  2. 対象住宅: 日本国内の40㎡以上240㎡以下の住宅で、新築または一定の基準を満たす中古住宅が対象です。
  3. 増改築: 工事費が100万円以上で、その半分以上が居住部分の工事費であること。
  4. 非課税限度額: 質の高い住宅では1,000万円、一般住宅では500万円まで非課税。
  5. 特定要件: 一部の高性能住宅では特別な条件が追加され、非課税限度額が増額されます。

※この制度を利用するには、贈与税の申告が必要となっています。

今回改正されたポイントは下記のとおりです。

  1. 「質の高い住宅」の要件の見直し:
    • 以前の要件では、非課税限度額が1,000万円となる「質の高い住宅」の条件として、断熱等性能等級4以上、または一次エネルギー消費量等級4以上であることが求められていました。
    • 改正後は、この基準が引き上げられ、「質の高い住宅」と認められるためには、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上であることが必要になりました。
    • ただし、2024年1月1日以降に贈与を受ける場合、一定の条件(例:2023年12月31日以前に建築確認を受けた住宅や、2024年6月30日以前に建築された住宅)を満たす住宅については、旧基準の等級4以上であれば「質の高い住宅」とみなされる経過措置が設けられています。
  2. 適用期限の延長:
    • この非課税制度の適用期限が2026年12月31日まで延長されました。
  3. 適用除外の強化:
    • 2009年から2023年までに同じ非課税制度を利用したことがある場合、再びこの非課税制度を利用することができないという制限が強調されています。ただし、一定の自然災害によって住宅が滅失した場合には例外措置が設けられています。

これらの改正により、特に「質の高い住宅」の要件が厳格化された点と、適用期限の延長が重要な変更点となっています。

制度をうまく利用できると良いですね。

最終のご判断にあたりましては、税理士または最寄りの税務署にご相談ください。