Thurston Moore は20年以上も私のギターヒーローであり続けているのだか、ライブはこの夜が初めてだった。
SONIC YOUTHという彼のバンドで考えた場合には、ライブに行きたいとまでは思えなかったからだ。
今回は当初CHARLRES HAYWARD との共演が予定されていた。THIS HEAT のメンバーであった彼は、数少ない私のフェイヴァリットドラマーである。
単独やユニットでの来日の度、これまでにも何度もライブに足を運んでいる。
そんな彼がノロウイルスの影響で急遽来日をキャンセルした。
チケットのキャンセルも考えたのだか、なかなか悩ましい状況だった。
というのもCHARLRES HAYWARD が指名した代役が灰野敬二だったからだ。
実は私はこれまでに何度も彼のライブを見ていたし、CDや映像作品を多数所有しているファンなのである。
Thurston Moore もかねてよりリスペクトを公言していた。
灰野敬二が出演していなかったら、チケットをキャンセルしていたと思う。
結果的に足を運んだのだが、これが大正解!
夢のようなひとときだった。
最初の20分くらいは、THURSTON のソロ。ブリッジの後ろを弾いたり、ネック裏を叩いたりしながら紡ぐサウンドはとても幻想的。ロックレジェンド。
しかし灰野敬二と吉田達也が入った後の主役は、間違いなく灰野敬二。
Thurston がネックを握ってスライドしまくり、いよいよかと思わせた瞬間もあったが、これも一瞬。
全体的に灰野敬二の伴奏かとすら感じられた。
灰野敬二を20年前に見たとき、若気の至りで、頑張ればあれくらいは出来ると感じていたが、今の彼は間違いなく唯一無二、孤高の芸術家。
右手を突き上げたわけではないが、終演後は体がクタクタ。聴いているだけで体力を奪われたのは、集中力を求められたからなのか、興奮が続いたからなのか。
素晴らしい夜だった。