土地探しを進めるうえで、「価格が安いから」「広さが十分だから」といった理由だけで購入を決めてしまうと、後々思わぬ問題に直面することがあります。本日は、土地選びでチェックすべき具体的なポイントについてお伝えします。
1. 土地選びで必ず確認すべき項目
土地には価格だけでは分からない条件が多くあります。以下に、代表的なチェックポイントを挙げます。
① 上下水道やガスの引き込み状況
Aはすでに「引き込み済み」ですが、Bは未整備の状態だとしたら、上下水道やガスの整備には追加費用が発生することがあるため、初期費用に大きな差が出るかもしれません。
② 隣地や周辺環境
Aは「隣地や道路からの影響の少ない場所」にありますが、Bは「目隠しや外構工事が必要」という事があります。隣接地との関係はもちろんのこと、道路などからの視線を遮るための工事費用も予算に含める必要があるかもしれません。日当たりや見晴らしの良い土地ほど、こういった費用が掛かり易いです。
③ 前面道路の条件
Aの前面道路は幅員4m未満で、道路後退や舗装の追加費用が必要です。一方、Bは「舗装済み」となっており、建築計画に影響しにくい。こんな時どちらを選びますか。舗装済みの道路が良いと思ってしまいがちですが、ライフラインの整備のために掘削が必要な時などには、むしろ舗装されていない方が安価に済む場合もあります。
④土地の高低差など
その土地だけで見たら一見すると良さそうでも、よく見たら「道路や隣地(特に裏手)との高低差が2m以上あり、用壁を作ったり、外構をやり替えたりしなくてはならない場合があります。良し悪しは、購入する部分だけ見て決めることが出来ないとお考えください。
2. 価格だけで判断してはいけない理由
これまでAとBで提案してきましたが、販売価格の差が建物用地として利用する場合の実際のコストとは異なることがお分かり頂けたのでは無いでしょうか。上下水道の整備や外構工事、高低差の対応といった追加費用が必要になると、最終的なコストまで含めたら、販売価格と実質的なコストが逆転する可能性があります。
重要なのは「トータルコスト」を考慮することです。安い価格に飛びつかず、条件をしっかり比較しましょう。
3. 現地を確認する際のポイント
土地選びでは、現地確認がとても重要です。以下の点に注意して、現地を訪問してください。
- 日当たり・風通し
時間帯によって日差しの入り方が異なる場合があります。現地確認は複数の時間帯で行うのがおすすめです。 - 騒音や匂い
周辺道路の交通量や工場などの匂いが気になる場合があります。周辺環境をしっかり確認しましょう。 - 周辺施設の利便性
学校や病院、スーパーなど生活に必要な施設へのアクセスも重要です。特に家族で住む場合は、この点を優先してください。
4. プロの意見を活用しよう
土地選びは一生に一度の大きな買い物です。不動産の専門家やコンサルタントに相談することで、見落としがちなリスクを回避できます。プロの意見を積極的に取り入れることで、安心して購入を進められるでしょう。
また、注文住宅の建築においては、思わぬ問題が起こることもあります。水道の引き込みが無いと聞いて、これに50万円かかってしまうのでは予算オーバーだと仰有るお客様がありますが、そもそも、それ程ぎりぎりの資金計画で計画してしまうこと自体が大きなリスクにあふれています。
是非ゆとりをもって計画を進める様になさってくださいませ。
とはいえ「土地選び」は家づくりの第一歩です。今回ご紹介したポイントを参考に、後悔のない土地探しを進めて頂けましたら幸いです。