隣地との高低差にお気をつけください


土地の起伏があまり大きくなく、坂も少ない上尾市ですが、それでも隣地との高低差がある土地は多いものです。

今回は、うっかり見逃してしまいがちな、隣地との高低差のある不動産について、注意点を説明いたします。


隣地との高低差に注意する理由1 がけ条例

一般的には、高低差が大きいと土砂崩れや水の流れによるリスクが高まる可能性があるとされています。

上尾市では土石流などが起こる可能性はほぼ無いと思われますが、法律的な規制に気をつけなくてはなりません。

 上尾市で気をつけるべきは、「がけ条例」です。がけについて、あまり心配のないエリアだからこそ、気にしていない方が多いのも事実です。

 がけの上なのか、下なのかによっても異なりますが、隣地や道路との高低差が2メートル以上ある場合には、用壁の高さや構造について規制があるだけでなく、建物をがけから一定の距離だけ離す必要があります。

 中には、木造での建築が認められず、鉄筋コンクリートで建築しなくてはならない等、建築に大きな費用がかかってしまう場合もあります。

隣地との高低差に注意する理由2 擁壁の強度

 2メートル以下の高低差の場合にも、悩ましい問題があります。

それは、隣地との間にある擁壁の高さが1.0メートル以下の場合には、地盤の安定性や周囲への影響が少ないと判断されるため、建築基準法などで構造的な強度について定めがないという点です。

 リスクが低いから定めがないのですが、下記のような問題があります。

A. 地盤の安定性

擁壁が低くても、設置する地盤の状態が悪い場合や地盤が不安定である場合には、擁壁が倒壊したり、土砂崩れを引き起こしたりするリスクがあります。特に、水はけの悪い場所や地震の多い地域では、地盤が緩みやすく、低い擁壁でもしっかりとした設計と施工が必要です。

B. 排水の問題

擁壁が低くても、適切な排水設備がない場合、水がたまり、擁壁に過度な水圧がかかることがあります。これにより、擁壁の崩壊や周辺地盤の侵食が進み、最終的に構造的な問題が発生する可能性があります。

C. 長期的な耐久性

擁壁の高さにかかわらず、材料の劣化や構造の老朽化による耐久性の低下が生じることがあります。特に、コンクリートや石積みの擁壁は、ひび割れや水の侵入により強度が低下する可能性があります。定期的な点検とメンテナンスが必要です。

D. 周囲への影響

低い擁壁でも、設置場所や状況によっては周囲の構造物や土地に影響を与えることがあります。隣接する建物や道路に対して不安定な土壌を支えている場合、擁壁の崩壊は周辺に大きな被害をもたらす可能性があります。

特にずいぶん昔からあった擁壁を再利用する場合には、お気をつけください。

具体的な事例と対策

以上のように、高低差がある土地では、建築に関する制限が厳しい場合や、規制がない半面かえって注意しなくてはならない場合があります。

事前の確認を怠ると、建物を建てられない、または予期せぬ追加費用が発生する可能性があるため、しっかりと確認することが重要です。


高低差がある土地を敬遠する必要はありませんが、思わぬ落とし穴がにお気をつけください。

弊社では、このような問題も、ハウスメーカーなどと協力し、しっかりとサポートさせていただきますので、不安になったら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。