【不動産のヒント】借地権は売れますか


先日、借地権の売却についてご相談を受けました。

同じような悩みを抱えていらっしゃる方も多いと思いますので、まとめてみました。どうぞ参考になさってください。

借地権付きの家を売却することは可能ですが、通常の土地の売却とは手続きが異なります。借地権の売却方法や注意点について詳しく説明します。

借地権の売却について

借地権って売却できるの?
借地権付きの家を売却することは可能です。借地権とは、土地を所有せずに建物を建てるために土地を借りる権利のことです。

**借地権の種類**
借地権には主に「地上権」と「賃借権」の2種類があります。地上権は所有権に近く、賃借権は地主の承諾が必要な制約があります。
自分の持っている権利が「地上権」なのか「賃借権」なのかは、謄本を取得してみればわかります。地上権の記載があれば「地上権」、地上権の記載がなければ「賃借権」とお考えください。

**売却方法**
借地権を売却する方法は次の3通りです:

1. 地主に売却する:
地主が建物を買い取り、借地権を消滅させることができます。

2. 第三者に売却する:
不動産会社を通じて借地権を買い手に売る場合です。地主の承諾が必要で、「譲渡承諾料」を支払うことが一般的です。

3. 地主と共同で第三者へ売却する:
地主と共同で第三者に売却します。事前に借地権と底地権とを等価交換するなど、権利を整理しておく場合もあります。

売却の手続き

**売却の流れ6ステップ**

1. 査定、不動産会社と仲介契約を結ぶ:
不動産会社による査定を受け、売却活動を依頼します。手間がかかる、面倒などの理由で引き受けていない業者も多いです。小規模店ではそもそも取り扱いのノウハウがなかったり、逆に大手の場合には売買金額が相当高くない限り受けないと思います。

2. 地主の承諾を得る:
まずはご自身で、地主の意向を聞いてみましょう。売却が容易となるも、困難となるもまずはこの点次第です。最初から不動産業者が出向くよりも、先方に敬意が伝わり、うまく行きやすくなります。挨拶が済めば、その後は不動産会社を介して地主との交渉を行い、売却の承諾を取り付けます。

3. 売却活動を行う:
不動産会社が広告を出し、買い手を探します。

4. 売買契約を結ぶ:
買い手が見つかれば売買契約を締結します。地主の承諾書も必要になります。

5. 地主から借地権譲渡承諾書を取得する:
地主から借地権の譲渡承諾書を頂きます。

6. 借地権を引渡す:
契約が完了したら、買い手に借地権付きの建物を引渡し、所有権移転登記を行います。

借地権の売却は専門的な知識や地主との交渉が必要です。
大地主や寺などが絡む場合には、そもそも土地が道路に面していなかったり、再建築が不可であったりと、売却する際に条件が悪いことも多いです。
相続などで取得する場合には、十分吟味してから相続を受けるか放棄するか決めましょう。
借地権を地主に返還する際に建物を壊す条件になっていたりすると、解体費用分を負担しなくてはならず、まさに負の遺産となることも少なくありません。